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オメラスとは?またオメラスの平和とMOZUの関係とは? [TV・芸能・ドラマ]

みなさま、最近やってるドラマ『MOZU』観てますか?

先日、Episode #9を観ていたのですが、東が放ったセリフが意味深でしたね。

その街のどこかに、光の届かない固く閉ざされた地下室があった・・・

ぜったい今後のドラマの展開にも関係してくるんでしょーね。
その中で、東が語ったオメラスとは、一体なんなのか?
気になりましたので調べてみました。


風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF ル 1-2) (ハヤカワ文庫 SF 399)

風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF ル 1-2) (ハヤカワ文庫 SF 399)

  • 作者: アーシュラ・K・ル・グィン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1980/07/31
  • メディア: 文庫



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オメラスとは?またオメラスの平和とMOZUの関係とは?


オメラスとは、短編小説「オメラスから歩み去る人々」から引用してるんですね。
この「オメラスから歩み去る人々」は、短編集『風の十二方位』に収録されてます。

ちなみにこの小説の作者アーシュラ・K・ル・グィンさんは、「ゲド戦記」の作者でもあるそうです。

短編小説「オメラスから歩み去る人々」の内容は以下です。

▼オメラスから歩み去る人々

此処ではない何処か遠い場所に、オメラスと呼ばれる美しい都がある。
オメラスは幸福と祝祭の街であり、ある種の理想郷を体現している。
そこには君主制も奴隷制もなく、僧侶も軍人もいない。
人々は精神的にも物質的にも豊かな暮らしを享受している。
祝祭の鐘の音が喜ばしげに響き渡る中、誰もが「心やましさ」のない勝利感を胸に満たす。
子供達はみな人々の慈しみを受けて育ち、大人になって行く。

素晴らしい街。人の思い描く理想郷。
しかし、そのオメラスの平和と繁栄の為に差し出されている犠牲を知る時、現実を生きる自分達は気付くのだ。
この遥か遠き理想郷は、今自分が立っているこの場所の事なのだと。
オメラスが求めた犠牲。それはこんな姿をしている。

オメラスの美しいある公共建造物の地下室に、でなければおそらくだれかの宏壮な邸宅の穴蔵に、一つの部屋がある。
部屋には錠のおりた扉が一つ、窓はない。
わずかな光が、壁板のすきまから埃っぽくさしこんでいるが、これは穴蔵のどこかむこうにある蜘蛛の巣の張った窓からのお裾分けにすぎない。

その部屋の中に一人の子どもが坐っている。男の子とも女の子とも見分けがつかない。
年は六つぐらいに見えるが、実際にはもうすぐ十になる。その子は精薄児だ。

その子はもとからずっとこの物置に住んでいたわけではなく、日光と母親の声を思いだすことができるので、ときどきこう訴えかける。
「おとなしくするから、出してちょうだい。おとなしくするから!」
彼らは決してそれに答えない。
その子も前にはよく夜中に助けをもとめて叫んだり、しょっちゅう泣いたりしたものだが、いまでは、「えーはあ、えーはあ」といった鼻声を出すだけで、だんだん口もきかなくなっている。
その子は脚のふくらはぎもないほど痩せ細り、腹だけがふくらんでいる。
食べ物は一日に鉢半分のトウモロコシ粉と獣脂だけである。その子はすっ裸だ。

その子がそこにいなければならないことは、みんなが知っている。
そのわけを理解している者、いない者、それはまちまちだが、とにかく、彼らの幸福、この都の美しさ、彼らの友情の優しさ、彼らの子どもたちの健康、学者たちの知恵、職人たちの技術、そして豊作と温和な気候までが、すべてこの一人の子どものおぞましい不幸に負ぶさっていることだけは、みんなが知っているのだ。

凡人総研「この街を去れない僕等は アーシュラ・K・ル・グィン『オメラスから歩み去る人々』」より、引用



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なんだか深いメッセージが込められたお話のようですね。
話の設定がちょっと、、強引な気がせんでもないですが。。。

要は、「最大多数の幸福を維持するために、1人の人間の犠牲を黙認してもよいのか?」ということを言っていると思うのですが、最後の「オメラスから歩み去る人々」というのが、さらに深い問題を投げかけてきます。

その子に敬意を払い、感謝して暮らす人々がいる一方で、良心の呵責から1人の犠牲の上に成り立っているという状況に耐えられず、街を去る人々もいる、ということなのでしょう。

この最大多数の最大幸福理論というのは、功利主義という考え方らしいですね。
(ううむ。。。難しい。。。(;´Д`))


我々の現代社会に置き換えてみますと、
世界には、飢えに苦しんでいる人々がたくさんいますが、日本人のほとんどの人が十分に満たされた生活を続けている、という状況でしょうか。

日本にも厳しい状況で暮らしている方々はいらっしゃいますので、その比較の場合も同じことだと思いますが、満たされた人々は見て見ぬふりをしている、ということを言いたいのですよね。

広がり続ける格差社会において、この話はある種、革新を突いていると思います。
深く考えさせられるお話でした。
でもこういうテーマに対する正しい答えって、とても難しいですよね。。。

人々は皆助け合って生きている、というと綺麗に聞こえますが、多くの犠牲の上に成り立っている、とも表現できるわけです。


以前観たあるTV番組で、世界の貧困に関する内容をやっていて、そういった状況を改善しようとしている活動家の方に対し、あるタレントが、
「世界の貧困な子どもたちを救うために、私達は何をすればいいですか?」
と質問したところ、

世界に目を向けるより、まずは身近にいる人達を助けてあげてください。

と答えていたことに深く感銘を受けました。


自分に何ができるんだろう?」と考えることは重要なのですが、難しい問題を変えたいと思うなら、まずは身近なところから始めの一歩を踏み出す、ということが大切なんだと思います。


ドラマから話がだいぶ逸れてしまいましたが、この『オメラス』の子どもがMOZUのことを指しているんだと思われます。
また『オメラス』という言葉があとからじわじわ効いてきそうな気がします!
次回の『MOZU』も要チェックです!


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出典:MOZU.TV 【MOZU】9分でわかる「劇場版 MOZU」ミニガイド ストーリー編





出典:MOZU.TV 【MOZU】9分でわかる「劇場版 MOZU」ミニガイド キャスト編





出典:MOZU.TV 【MOZU】9分でわかる「劇場版 MOZU」ミニガイド メイキング編


リンク:劇場版『MOZU』公式サイト



▼こちらはTVドラマ版の「Seaso­n1」のストーリーと謎を総まとめ&「Season2」のみどころ映像です。

出典:MOZU.TV 【MOZU】「Season2 ~幻の翼~」遂に地上波スタート!今更聞けない「MOZU」の全てがわかる!20分ナビ


リンク:TBS MOZU Season2 ~幻の翼~公式サイト



P.S.
ちなみに「オメラスから歩み去る人々」の続編で、「所有せざる人々」という小説もあるそうですよ!
(内容は知りません。スミマセン。。:-)


所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)

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  • 作者: アーシュラ・K・ル・グィン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: 文庫



MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~ Blu-ray BOX

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
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  • 出版社/メーカー: 集英社
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  • 作者: TBS×WOWOW
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/04/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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